【目覚めの手帳(第4話)】スター・チルドレン

――前記の「魂のレベルの合意」の意味は、「転生(てんしょう)」という事実を抜きにしては正しく理解することは難しいでしょう。
「転生」とは簡単に言えば「生まれ変わり」のことで、いわゆる「死」は「いのち(魂)」の終わりではなく、単に肉体という衣を脱ぎ捨てるだけのことで、その先に無限に近い生があります。
「死」と次の「転生」との間に、非物質領域の「休息所」があり、そこで高次元の存在たちのサポートを受けながら、次の人生の場(地球のような三次元物質界の全体を展望して最適と思われる環境)を選ぶことになります。「魂の合意」というのは、その時点での選択のことです。
けれども、出生とともに「魂の合意」を忘れてしまうのが一般的で、それは地球での体験の幅を大きくすることを通じて、より深い学びを会得するのに役立ちますが、時には迷路にはまる種にもなります。
どんな人でも、地球へは何十回から何百回も転生しているのが普通で、ある期間は特定の民族や国家に繰り返し転生するケースが多いようですが、これは人間関係などのカルマ的な因縁に関係しています。

さて、スター・チルドレンとは、前例のない巨大なシフトを遂げつつある地球での体験を求め、またその大転換に貢献しながら次代の地球を担うために、宇宙の様々な領域から転生してきた地球での体験は比較的少ない魂たちのことで、1990年頃から年とともにその比率が多くなってきています。
またスター・チルドレンは、子供たちだけでなく、大人の中にもいます。そして、このところ年とともに「本当の自分」を思い出す人が増えてきています。
いずれにしても、この地球になじむことは容易なことではないようです。
次は、最近のある会合でのフランという女性の話です(邦訳は小松による)。

   

皆さんこんにちは。
わたしの今の名前はフランです。わたしの人生の今のサイクルでは、既婚の女性で年齢は50歳近くになります。あなた方の宇宙存在についての研究では、マンティス人(マントイド族)と呼ばれることになるでしょう。わたしは個人としてエスティカと呼ばれている者です。
わたしの故郷の世界は、この銀河の反対側にあって、平和と調和に満ちた世界です。
わたしは、どうしたらいいか迷った時、結局は、マントイドの評議員コールがいて、ゼータやプレアデス人もいる宇宙船を訪ねます。平穏の中で静かに過ごすと、すべてが明快になってくるのです。考えてみると、たいへんトラウマに満ちた出生の過程を経て、人間の肉体を持って生きることになったのは、人類と彼らがやっていることを知るためだったと思います。その出生の過程で、自分が何者でどこから来たかを忘れてしまったのです。後に、それが明らかになって、きちんと理解できるようになりましたが。
わたしたちマントイド族は何万年も、この近くにやってきています。わたし自身も、この「ガイア・アンス-マカ・地球」という存在に何が起こっているかが気になって、繰り返し来ています。ガイアの過去4回の盛衰のフェーズを見てきました。その一つは、ご存知のレムリアとアトランティスの時代です。貪欲のために、権力が乱用された場所です。このような、人類が過去にやって今もやり続けていることを見ると、ぞっとさせられます。
人間のからだを持って生きてきた感想は、いろんなことに当惑し混乱させられることです。あらゆる意味で人類は肉体の能力に恵まれているのに、それを乱用するのです。わたしが困惑するのは、指や足の爪のこと、また髪や肌のこともあります。そしてもちろん、生物学的な行為の体験についてのコミュニケーションがないことが、当然とされていることがあります。複雑すぎて困惑させられますが、たいへん面白い面もあります。わたしは、元々のマンティスのからだに戻ることを切望しています。しかし、まだその時ではないようです。少なくとも、自分の舌を使って話して、自由にコミュニケーションが取れるようにならなければ。
人類が宇宙の存在について語る言葉に「エイリアン」というのがあります。わたしが疑問を持つのは、もし宇宙の存在たちが人類のことを「エイリアン」と言ったら、その人たちはどう思うかということです。
わたしは若いころ、自分が社会の外にいると思っていました。ほんの数年前に、ボイラン氏に連絡がつくまではそうでした。それ以来わたしは、自分自身に対してだけでなく、わたしたちを見守り観察している他の宇宙の存在たち、つまり親族たちに心を開くようになりました。彼らがそうしているのは、わたしには理解できます。いま人類の中に目覚めた人が増えていますが、多くの人はそうではありません。
わたしは無邪気に感嘆の思いを込めて、人類の生の営みを見ています。彼らが精神的に成長するのに気づいています。
それでも、どうしても理解できないことは、人類が、他の人間に対してはもちろん、他の生き物に対してとるネガティブな行為です。それを、悲しい思いで見ています。そうする必要があるとは思えないのです。わたしが知っている範囲では、「Star Man」や「K-Pax」などの映画があります。
地球の皆さん、前途には多くのことがあります。そして皆さんの宇宙の親族たちは、皆さんが精神的に成長して仲間入りできるように、見守りながら待っています。宇宙の親族たちを恐れさせようとして何を言われたとしても、心の中心で感じるようにしてください。それくらい簡単なことです。
そして、2012年になればガイアが去ってしまうということはありません。癒しやバランスをとるための変化が進行しているということは事実です。けれども、ガイアと人類はここにいるでしょう。皆さんの時間は、これまでもずっと「いま」です。調和と平和を願いつつ、わたしの話を終わります。

このように、フランが人生の大半を過ごしてきた、とまどいながら社会に溶け込むことが出来ない状態は、多くのスター・チルドレンたちに共通しているようです。
それは、決して彼らが異常だからではなく、この地球が如何に異常な世界になっているかの象徴です。何千年にもわたって、この地球では、大衆に宇宙や歴史の真実に気づかせないようにするための「努力」が、徹底的に行われてきたのです。それは、アトランティス[後出]の崩壊から今日までの歴史と大いに関係があります。

スター・チルドレンたちに対して、いわれなく、自閉症や「ADD(Attention Deficit Disorder:注意欠陥症)」や「ADHD(Attention Deficit Hyperactive Disorder:注意欠陥多動症)」というレッテルが貼られるケースは、決して珍しくありません。
心で知っていることを決して理解してもらうことが出来ず、それと正反対の認識を押しつけられる状況での、自然な防御策は「貝になること」です。つまり、大人たちが造った偽りの世界に付き合わないようにするために、口を開かないことです。それが、自閉症の典型的な「病因」なのです。
一方、ADDやADHDは、スター・チルドレンたちが持っている、定められた枠にとらわれず自由闊達に自己表現する特質が、社会が造った基準に合わないというだけの理由で、そのように分別されているものです。

宇宙から授かった宝物のような彼らが、順調に成長して本来の持ち味を自在に発揮できるような環境を整えてあげることは、いま私たちの社会が抱えている大きな課題の一つです。

(〔4〕=『アセンションへのいざない(2009年7月)アーバンプロ出版センター』)